2012年12月26日水曜日

今年の終わりに思うこと -2012-

私は入門コースの初日で
「ミロンガって何?」を説明する際に

「クラブのタンゴ版ってところですね」 というような
言い方をします。

まったくダンスのこと、タンゴのことを知らずにイメージもつかない
方にはわかりやすいかな、と思っていたのですが、

ちょっとその言い方は反省すべきといいましょうか、
言葉を足すべきなのでは、と考え直しました。


では、どのような言葉を足すかといいますと

「ミロンガとは、クラブのタンゴ版のようなものではありますが
大きく異なる点は、
クラブは誰でもダンスが出来なくても、気分で気軽に音楽に乗って
自由に踊ることができるもので、
ミロンガはレッスンの先にあるものなのです」 ということ。


すでにタンゴを知っている皆さんはよくわかると思いますが、
ミロンガはぜんぜんタンゴを知らなくて"自分が楽しいから行く" というのでは
お相手に迷惑がかかってしまいますね。

お相手も踊りに来ているから です。

お相手だけでなく、会場は左回りのピスタに乗らなければならない
交通ルールがありますから、そこがうまくいかないと全体を壊してしまいかねません。

ミロンガでは前提として練習が必要である ということ、
ルールやマナーが必要である、という点がまさしくクラブとは
大きく違う部分なのです。

クラブが悪くてミロンガが良いとか、そんなこと言ってるじゃありませんよ。

初心者がダメで上級者しかミロンガはダメって言ってるのでもありません。

上手か下手か とか そんな問題ではなく、相手あってのことである  という点が。
だからクンパルではビギナーズ・ミロンガというのがあり、まずは
この中でルールやマナーを学ぶ時間をつくる ということを重要に考えているのです。


なぜ、いきなりこんなことを改めて考えたかと言うと
一昨日、 数週間前に放映されたNHKの
特報首都圏「どうする?どうなる?日本のダンス」という
番組を録画しておいたものを やっとゆっくり見たからなのですが。


先月、11/21に警察庁より風営法のダンス規制に関するパブリックコメントが
公示され
「ペアダンスは男女間の享楽的雰囲気が過度にわたる可能性があるため」
規制の対象になる。
「盆踊りやヒップホップなど一人で踊るもの」は除外される となっています。

しかし、クラブでは1人で踊りますが、暗い照明の中、狭いフロアで男女が
密着するとなると例外となり、規制の対象とされるようです。


こうなると、はなっから警察がターゲットにしてるのはペアダンスだったんだー 
ということになります。




過度な享楽的雰囲気とは無縁のクンパルですけどね。はは。

ペアダンスだからこそ、相手を思いやり、
各自が懸命に練習を重ね、
練習をした上でのミロンガ なのですけどね。

そこのところの理解を広めてゆきたいですし、
そもそも一人で踊るか 二人で踊るかの問題ではなく
住民の苦情が出ないように、より良い社会づくり をするためにどーするか
という論点にされてなければおかしいはずです。

より良い社会づくり という点では、個人のストレス解消や運動不足解消、
健全な精神を生み出すダンスはやはり大変重要なものであるはずです。


一人で踊るダンスは認可される  となった背景はきっと
中学校の義務教育にダンスを取り入れてしまったばかりなので、
  あ  やべー  テヘペロ   ってところなのでしょう。
                   (↑ この使い方で合ってます?初使用です)


そもそも学校の義務教育でヒップホップ踊らす前に もう少し日本の芸術文化を
伝えることに力入れればいーのに   と私なんぞは思ってしまいますが。。

NHKのこの番組内でも小学生がミラーボールの下で派手な格好で踊ってて
超楽しそうなのはいいのですが、おばさんは単純に驚愕しました。

 ああ、話が脱線してゆきます。


しかし  それにしても私達タンゴ教師は 誠実に 後ろ暗いことなく
ダンスを楽しんで頂ける環境をつくってゆく 義務があります。

地方の先生方も東京へ足を運び、早朝からの会議に参加されています。

今さえよければそれでいい  とか
嵐が過ぎるのをじっと待つ  ではなく。


次の世代まで 安心して楽しめるダンスカルチャーをつくってゆくために、
今 徹底した議論を行い、業界を整理整頓してゆく必要な時期に
直面しているのです。


ちなみに、
アルゼンチンタンゴは2009年9月30日に
ユネスコ世界無形文化遺産に登録されています。

アブダビ国で開催されている国連ユネスコ会議は、世界の人類芸術と伝統、
人間性のために保護されるべき世界芸術および伝統の一覧表作成のための
会議でもあります。

日本の無形文化遺産としては、
2001年に能楽、2003年に人形浄瑠璃文楽、2005年に歌舞伎が
登録されています。








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